

国立民族学博物館情報管理施設図書室は大阪府吹田市千里万博公園の中にある文化人類学と民族学をテーマにした世界最大級の民族学博物館になっております。研究者が世界各地で収集した民族衣装などの生活用具のほか、世界の人びとの儀礼や芸能を紹介する映像を見ることができ、とても興味深いです。本館展示場は、世界を9つにわけた地域展示と音楽、言語の2つの通文化展示で構成されています。広い展示場を一周すれば、世界旅行をしたような時間を過ごすことができ、半日ではなかなか全てを見て回るのは厳しいぐらい充実していました。本館の展示は地域展示と通文化展示に大きく分かれています。地域展示ではオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、日本を含むアジア各地域に分かれ、オセアニアから東回りに世界を一周するようになっています。通文化展示は地域、民族毎に分けての展示ではなく、音楽と言語など世界の民族文化を通じて概観する展示があります。開館当初からビデオテークが設置され、世界中の生活や文化を紹介する映像を利用者が選択し、視聴することができ、現地へ行ったような気分になれます。また、1999年には映像と音声による展示解説を行う携帯型の「みんぱく電子ガイド」が登場した模様です。本館の東南には4階建ての特別展示館が隣接し、所属している研究者が特定のテーマで研究した成果を紹介する展示が行われていますが、別途料金がかかるため、次回来た時のお楽しみにしました。沿革としましては、東京帝国大学の学生だった渋沢敬三が1921年に東京・三田にある自邸の車庫の屋根裏部屋を利用して、アチック・ミューゼアムをつくり、二高時代の同級生らと共に動植物の標本や民具などの蒐集を始めました。渋沢の死後、1964年に日本民族学会などは国立民族研究博物館の設置を政府に要望し、1965年には日本学術会議が総理大臣に国立民族学研究博物館の設置を勧告しました。以上のことから国立民族学博物館情報管理施設図書室は古き歴史がある施設になります。皆さんも興味がある方は是非一度伺ってみては如何でしょうか。